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『COOL』は、世界で活躍するアーティストやニューヨークで注目のアートシーンなどを紹介していくアートマガジンです。創造するということ、かっこいいものを見ること、そこから感じる何かを世界中で共感できたらおもしろい!文化が違うとこんな違ったかっこよさもあるんだ!そんな発見・感動をしてもらえるボーダレスなアートマガジンを目指しています。現在、全米各地やカナダ、フランス、日本、中国などで発売中。誌面ではなかなか伝えられないタイムリーな情報や、バックナンバーに掲載されたインタビューなどをこのブログで公開していきます。
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今でこそ老若男女問わず世界中で利用されているインターネット。だがその歴史はまだ30数年と浅い。そのインターネットが普及し始めてまだ間もない頃、アメリカのWeb業界に新風を吹き込んだ1人の日本人デザイナーがいる。Yoshi Sodeoka その人である。アメリカのメディア大手,世界最大のエンターテイメント企業であるVIACOM を経て、Sodeokaがアートディレクターとして『WORD.COM』を始めたのは1995年。あのWindows95が発表され、世界中で爆発的なブームが起きた年だ。翌年には世界のインターネット接続ホスト数が1000万台を突破する。現在もニューヨークでフリーで活躍する彼に近況を語ってもらった。

COOL:では簡単なプロフィールと、現在手がけている仕事について教えてください。

Yoshi Sodeoka:ニューヨークに来たのは1989年で、僕が20歳の時でした。プラット・インスティテュートでアートとコンピューターを勉強して、その後は2年ほどMPBで働いていました。その後は自分の仕事を始めるようになって、3人ぐらいでパートナーを組んで自分の会社を初めました。今はまた一人になって、デザインとアートの仕事を半分づつやっています。アートの方では主にビデオをやっていて、美術館やギャラリーで見せたりもしています。

C:ニューヨークに来たきっかけは何だったんでしょう?

YS:日本のテンプル大学の分校にいた時に、ニューヨークから来ている先生に出会いました。日本にあるパーソンズスクールのDeanの方で、 その人がアートとデザインを教えていたんですよ。年上の方だったんですけど、共通点があったりしてとても仲良くしてもらいました。その方がニューヨークに戻る時に、こっちでもっと勉強しないかと勧められたのがきっかけでした。

C:今まで様々な仕事を手がけてきていると思いますが、VIACOMやWORDでの仕事について振り返ってみていかがですか?

YS:学校を卒業してすぐVIACOMで働き始めて、2年ほど働きました。まだ何も分からない時だったんですけど、MTVの仕事などはいろいろと勉強になりました。WORDでは、割と自分の好きなことができる感じでした。僕はアートディレクターとして仕事をしていたんですけど、割と自分の方針で自由に仕事ができました。あの時はまだインターネットが普及し始めたころで、みんな興味を持ってくれましたね。その点では面白いことができたと思います。

C:その当時と今とではデザインに対する考えの変化はありますか?

YS:インターネットが出てからはだいぶデザインというものが変わりました。雑誌とか本に比べて、インターネットだったら瞬時に新しいものが見れますよね。それにデザインのスタンダードがだいぶ向上したと思います。それと同時に真似する人も増えたと思いますね。ひとついいものが出てくると、みんなそれを真似したがりますから。そういう面ではオリジナリティーに欠けるところもあると思います。インターネットが始まる前は、もっと変わってることをやっている人が多かったですね。今はとにかく量が多いから、自分の好きなものをよくわかっていないと、流されてしまうんじゃないかな?

C:デザインの仕事のどのような部分に魅力を感じていますか?

YS:デザインていうのは人に頼まれたものをカタチにするものですからコミュニーケーションが大事ですね。デザインのスキルだけじゃなくて、限られた時間でそれぞれのソルーションを見つけていくというんでしょうか。そういう点では毎回違うチャレンジがあって面白いと思います。アートのプロジェクトは全然プロセスが違って、すべてが自分のインスピレーションですから。時間も限られていないぶん、自分でスケジュールを管理して、ひとつひとつ終わらせていかないといけないですよね。僕の場合はデザインとアートという全く違うものをやっているから、ちょうどバランスがとれていると思います。

C:デザインに対するポリシーについて教えてください。

YS:見た目だけではなくて、ちゃんとコンセプトがあって考えられてるデザインを大事にしています。どうしてこういうデザインが出きるのかを考えながら、そのプロセスを大切にしています。だから必ず見た目的に凝ったものじゃないといけないとかいうことはないですね。シンプルで簡単に見えるものでも、意味がちゃんとあって奥が深かったりしますから。

C:インスピレーションはどこから受けるんですか?

YS:プロジェクトにもよりますけど、普段の生活の中で自然に吸収されているものが出ていると思いますね。わざわざ美術館やどこかに 出かけたりということはないですね。特にニューヨークに住んでいれば、特別に意識する必要もないでしょう。

C:最近手掛けた仕事は?

YS:MTVのVH1のステーションIDの仕事をしました。あとはBeckのミュージックビデオの仕事をしましたね。今はインターネットのデザインよりもビデオの仕事の方が多いです。デザインは短期間で済む仕事の方が好きですね。あまり時間がかかりすぎると、面白くなくなちゃったりするんですよ。僕の場合は、勢いがあった方がクリエイティブになれます。

C:将来のビジョンはありますか?

YS:今まで長い間デザインでやってきましたから、今度はもっとアートの方に集中したいと思ってますね。特にビデオアートをもっとやりたいと思っています。他のパートナーと会社を持っていた時はそれで結構時間を取られてしまっていたんですけど、今は自分一人なので融通もききますから。一年の内半分くらいは自分のために時間を使いたいですね。



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Yoshi Sodeoka(ヨシ・ソデオカ)
Pratt Instituteでグラフィックデザインを学ぶ。卒業後すぐにVIACOMでMTVなどのCD-ROM開発に携わる。1995年、アートディレクターとしてウェブマガジン『Word.com』をスタート。Webzine(ホームページ形式で配信されるオンライン雑誌、オンラインジャーナルの総称。Web+Magazineから成る造語)の先駆けとして一躍ウェブ業界の寵児となり、NYフォリオ賞、I.D.マガジン・インタラクティブ・メディア・デザイン賞など数々の賞を受賞。彼のインタラクティブデジタル作品は数々のCD-ROMやウェブサイトで紹介された他、サンフランシスコ近代美術館、NYホイットニー美術館、ドイツ・デザイン・ミュージアムなどでも取り上げられている。



text by Kazumi UMEZAWA, photo by Naho KUBOTA
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