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『COOL』は、世界で活躍するアーティストやニューヨークで注目のアートシーンなどを紹介していくアートマガジンです。創造するということ、かっこいいものを見ること、そこから感じる何かを世界中で共感できたらおもしろい!文化が違うとこんな違ったかっこよさもあるんだ!そんな発見・感動をしてもらえるボーダレスなアートマガジンを目指しています。現在、全米各地やカナダ、フランス、日本、中国などで発売中。誌面ではなかなか伝えられないタイムリーな情報や、バックナンバーに掲載されたインタビューなどをこのブログで公開していきます。
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1755年のリスボン大震災。街の崩壊後、当時の首相であったMarquesh de Pombalは街を急速に建て直した。現在は市長Isaltino Moraisによって街もアートも成長し続けている。オエイラス市は、最も住みたい市の一つであり、2009年、ポルトガルの "THE BEST WORK CITY" にも輝いた。

アトランティック海洋沿岸に沿うポルトガル・オエイラス市は、今年生誕250年を迎える。1年を通してフェスティバルやイベントが計画され、世界の音楽、ダンス、アートと賑わいを絶やさない。その一環として、18C の宮殿を改造したPalacio do Egipto(エジプト宮殿)が2009年6月25日に改装オープンした。エジプトの聖人を愛していたという当時の宮殿の主Rebelo de Andradeに因んで、エジプトの名を残している。 



エントランスでは、ポルトガルの伝統的タイルアート、アズレージョによって出迎えられる。建築デザインは、ポルトガル建築家のVaz do Carmo (バジュド カルモ)氏による、ウェディングドレスのベールをイメージしたロマンチックな構想だ。太陽の光の恵みとともに近隣から差し込む教会の鐘の音が鳴り響く。白一色のウェデング建築は、人々を幸福のオーラに誘い、全てを祝福するかのようだ。一方、建築途中に発見されたという作者不明のミステリーアートが外壁に主張する。



オープニングを飾るのは、スペインの代表的アーティストSalvador Dali(サルバドール・ダリ)。ダリの親友であるというスペインのコレクターJuan Javiel Bofill (ホアン ハビエル ボフィル)により、プライベートコレクション6シリーズ、およそ100点をバルセロナより特別公開している。魅力は、美術館には珍しくオリジナルの彫刻に触れることができるところだ。ダリはアートには触れることで、もっと作品に近づき、感じることができるという。死を恐れていたダリは、MEDO(恐怖)を彫刻に表現した。



注目の作品は、‘DRAGON-CISNE-ELEFANTE’(1969 Bronze)正面から見るスワンが、逆さから見ることにより象に変わり、さらに後方に視点を移すと、ドラゴンに見える。一つの彫刻が視点の転換で3つの顔を持つ。Alice’s Adventures in Wonderland(不思議の国のアリス)は、12点の絵画がダリの生み出すユニークなイメージで、影を操り、まさに不思議なストーリーへと迷い込ませる。 



アートは3ヵ月ごとに入れ替わり、ダリコレクションは9月15日までとなっている。毎月、最終金曜日は深夜12時までのオープンし、夜のミュージアムも味わえる。ガイドツアーに加え、コンサートなど今後様々なイベントが企画されている。年内に3つのカフェがオープンし、市独特のオリジナルスイーツも味わえるという。2009年、ポルトガルの海・太陽・アートに触れに出かけよう。


(Text & Photo by Yuka Takao)
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国際的に活躍する24人の現代アーティストによるグループ展が Gana Art New Yorkで開催されている。

16世紀の鬼才ヒロニエムス・ボッシュの 名作『The Garden of Earthly Delights』と、20世紀を代表する彫刻家アルベルト・ジャコメッティの怪作『The Palace at 4 a.m.』の世界観やイメージを基にした、自然、動物、空想、幻想、善悪、明暗といったテーマが中心となっている。

古典とモダンの両極から、混沌とした現代に生きる私達の“今”と“これから”の方向性を問題提起または示唆した作品がセレクトされており、 絵画、彫刻のカテゴリーに留まらず,多種多様のジャンル、それぞれのアーティストの視点から考察した共通のテーマが様々な形で表現されているのを一堂に見ることができる。会期は3月14日まで。

【出品アーティスト】
Louise Bourgeois, U-Ram Choe, Brody Condon, Angelo Filomeno, Osang Gwon, Claudia Hart, Julie Heffernan, Yong-Ho Ji, Min Kim, John Kleckner, Nalini Malani, Walter Martin & Paloma Muñoz, Ryan McGinness, Marilyn Minter, Paul Morrison, Marc Quinn, Cristina Lei Rodriguez, Tom Sachs, Shi Jinsong, Sally Smart, Jennifer Steinkamp, Michael Velliquette, James Welling and Wu Jian'an

Gana Art New York

Text&Photo by Sai Morikawa


マンハッタンのオフィス街、パークアヴェニューに面してそびえるランドマークとして知られるLever Houseここでは、中庭および一階ロビーをパブリック・アートの展示スペースとして利用し、一般公開している。ここで現在公開されている、イギリス人現代美術家ダミアン・ハーストの衝撃的な作品が話題を呼んでいる。

  

ロビー中央には、ホルマリン漬けにされた30頭の羊がズラリと並ぶ。頭部と胴体を分けられた羊は、それぞれ個別にホルマリンで満たされた水槽に収められ、ストレッチャーの上に置かれている。そこにさらに蛍光灯、吊り下げられた点滴、水の入ったガラスのコップ、砂、空の灰皿やバケツなど、様々な意味あり気な装飾が施されている。



水槽の列の最後尾にはひとつだけサメが入った水槽があり、そこには蛍光灯の代わりに、植木、メスや鉗子などの手術用具が置かれ、その周りには血液を思わせる赤い液体が滴っている。そしてなぜかこのサメの水槽の下に置かれた灰皿にだけは吸い殻が山盛りだった。

  

通りに面したガラス付近にはさらに不思議な作品が置かれている。2メートル以上ある巨大な水槽には同様にホルマリンが満たされ、その中には胴体を2枚におろされた巨大な牛、ソーセージ、傘、鳥カゴの中で翼を広げた白い鳩、アンティークのソファが収められている。水槽の左上にはシルクハットが置かれ、右手の縁にはステッキが掛けられている。

ロビーの両サイドのガラスには薬品の陳列棚が並び、その上にはそれぞれ時刻がまちまちの時計が掛けられており、すべての時計が左回りに時を刻む。

常にアート界にセンセーショナルな話題を振り撒き続けるハースト。Lever Houseの中庭に現在も展示されているハーストの巨大な彫刻作品『ヴァージン・マザー』は、そのグロテスクさゆえに賛否両論を巻き起こした。今回、都会の喧騒に曝されたこのショッキングな作品を、ニューヨークのビジネスマンたちは一体どのように捉えるのだろうか?
  


9月8日、ニューヨークのトライベッカ地区で、日本でカフェレストラン事業を展開するTRANSIT GENERAL OFFICEがプロデュースすろカフェバー、「Tokyo bar」のオープニングパーティーが行なわれた。

「アート・デザイン・食」が融合した遊び場というコンセプトで、ロゴデザインには、日本で最も注目を浴びるアートディレクター佐藤可士和を起用。店内の壁面には、24人のアーティスト集団「mashcomix」が手掛けた巨大なマンガが描かれ、吹き出しや擬音を象ったネオンが輝く。またカウンターの向かいには、アーティスト施井泰平による文庫本の背表紙を使ったインスタレーションが置かれ、ニューヨークに居ながらにして「Tokyo」を身近に感じることができる雰囲気を演出している。

気になる料理も、「ニュー・ジャパニーズ・コンフォート・フード」をコンセプトに、日本ならではの「カフェ飯」を提供している。

オープニングパーティーには、店内には入りきらないほどたくさんの人が訪れ、注目度の高さをうかがわせた。トライベッカでは、セレブ向けの日本の超高級レストランなどが知られているが、この「Tokyo bar」も、ニューヨークの若者を中心としたホットスポットとして大きな話題となることは、もはや間違いないだろう。正式オープンは近日を予定。

オフィシャルサイト
http://www.tokyobar-nyc.com/

近年、世界中から注目を浴び、莫大な外貨を稼ぎ出している中国のアート市場。それに着目した中国当局はアートにおける表現の自由を容認し、市場の活性化を推進する方針を打ち出した。それに伴い、中国のアート市場は肥大の一途をたどっている。

急速な経済発展の渦の中で異様なまでのエネルギーを放つ大都市、上海。そこには無数のギャラリーがひしめき合うアートスポットや、日々進化を続けるアートシーンが存在する。この街で今、「莫干山路50号倉庫群(通称- M50 -)」と呼ばれるエリアが人々の注目を集めている。


「莫干山路50号 倉庫群(以下M50)」は上海駅より歩いて15分ほどの距離にあり、蘇州川という澱んだ河川の沿岸に位置する。ここはかつての紡績工場跡地で、2002年から市政府の指導により広大な空間を利用した現代アートスペースとして変貌を遂げた。かつては「春明芸術産業園」という名称だったM50は、凄まじい勢いで変貌し続ける上海の開発地区の1つであり、絶え間なく稼動し続ける工場施設と共存している。

経済発展の著しい大都会の様相に反して、地元住民の生活感が漂う、古びて雑然とした街の隅にM50は在る。広々とした空間と、昔の面影を残す建築が醸し出す不思議な魅力に引き寄せられるように、どこからともなく画家やデザイナーたちが次々と集まる。エリア内にはいくつもの棟が立ち並び、中国国内だけではなく、世界各国から集まった120軒余りの画廊やアトリエ、カフェなどがひしめき合い、それらが内外から集まる情報の交換の場としての役割も果たしている。


今から2年前、ここM50で行われた非営利アートプロジェクト「Matchmaking At Suzhou Creek」には、自らをプロデュースして国際舞台で活躍する22人のアーティストが世界中から集まり、現地の中国人アーティストとの期間限定の異種文化共同体を作り上げた。このプロジェクトがアーティスト同士の親密な共同生活をそのままプロジェクトに反映したことで話題を呼び、M50の知名度を一気に押し上げるきっかけにもなった。

上海という街では、森羅万象、ありとあらゆるものが渾然一体となり、そこから生み出されるパワーが人々の生活や経済だけでなく、上海のアートシーンをも加速度的に成長させている。M50はまさにその中心的存在であり、そこで目にするものはまさしく、現代に息づく上海アートシーンの真の姿に他ならないのだ。

莫干山路50号(M50)サイト http://www.m50.com.cn/



text, photo by Hiromi NAKAMURA
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