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『COOL』は、世界で活躍するアーティストやニューヨークで注目のアートシーンなどを紹介していくアートマガジンです。創造するということ、かっこいいものを見ること、そこから感じる何かを世界中で共感できたらおもしろい!文化が違うとこんな違ったかっこよさもあるんだ!そんな発見・感動をしてもらえるボーダレスなアートマガジンを目指しています。現在、全米各地やカナダ、フランス、日本、中国などで発売中。誌面ではなかなか伝えられないタイムリーな情報や、バックナンバーに掲載されたインタビューなどをこのブログで公開していきます。
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近年、革新的な発展を遂げ、国際的にも注目を集めはじめているスペインの現代建築。ニューヨークにある近代美術館(MoMA)で行われた「On-Site: New Architecture in Spain」展では、スペインを代表する53の様々な建築プロジェクトが紹介された。美術館、スタジアム、ホテル、国際空港など、着工中もしくは構想段階のプロジェクト35件と、ここ数年以内に完成した最新の現代建築が18件。それぞれのプロジェクトの模型と、設計図やコンセプトを示した大型プレゼンテーション・パネルによる構成だ。
 
今年のはじめに完成したマドリッドの「Barajas Airport Terminals(バラハス国際空港)」は、自然を取り入れた斬新なデザインと最新の輸送システムが話題を呼んでいる。設計は、パリの「ポンピドーセンター」の建築などで知られる、イギリスの建築家、リチャード・ロジャースが手掛けた。彼はバルセロナ市長が推進する都市戦略協議会の顧問も務めており、この空港の他にもスペインにおける都市計画に深い関わりを持っている。年間約4000万人以上の乗客が利用するというこの巨大な国際空港は、観光産業が重要な地位を占めるスペインにおけるインフラストラクチャーの近代化の象徴的存在だ。特に目を引くのは、この空港のデザインの特徴とも言える、竹を素材とした大きく波打つ曲線を描くフォルムを持つ屋根と、それを支える巨大な翼をイメージした鮮やかなイエローの支柱だ。この天然の素材を活かしたダイナミックなデザインが、天窓から取り込まれる自然光と見事な調和をみせている。
 
また、スペインで活躍する若手建築家のホープ、Enric Ruiz-Gali(Cloud 9)と、ニューヨークで活躍するインタラクティブ・ライティング・アーティスト、James Clarのコラボレーションによる「Hotel Habitat」の一風変わった試みも面白い。バルセロナに建築中のこのホテルは2007年完成予定。ホテル全体は約5000個に及ぶLED(発光ダイオード)ですっぽりと覆われ、日が落ちるとそれらが自動的に点灯する仕組みだ。また、外壁の上層部にせり出したガラス張りのバルコニーも同時にライトアップされることで、LEDによって描き出されたホテルの輪郭の中に、まるでバルコニーが浮遊しているかのような幻想的な光景が夜空に浮かび上がる。
 
主要先進国の経済成長が減退している世界経済情勢の中で、スペインの経済は順調に成長を続けている。その中で打ち出された観光産業の近代化に伴う都市計画、それに呼応するように次々と生み出される高度な建築。今やスペインにおける現代建築は、デザイン性においても機能性においても、既に世界のトップレベルに達していると言っても過言ではないだろう。



text by Sei KOIKE, photo by Akiko TOHNO
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