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『COOL』は、世界で活躍するアーティストやニューヨークで注目のアートシーンなどを紹介していくアートマガジンです。創造するということ、かっこいいものを見ること、そこから感じる何かを世界中で共感できたらおもしろい!文化が違うとこんな違ったかっこよさもあるんだ!そんな発見・感動をしてもらえるボーダレスなアートマガジンを目指しています。現在、全米各地やカナダ、フランス、日本、中国などで発売中。誌面ではなかなか伝えられないタイムリーな情報や、バックナンバーに掲載されたインタビューなどをこのブログで公開していきます。
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海外でも、監督・俳優として高い評価を受けている渡辺一志。初監督作品「19」(01)では、トロント国際映画祭をはじめ、各国の映画祭に招待された。サラエボ国際映画祭では新人監督特別賞を受賞。同作品はヨーロッパ、アジア諸国で公開された。俳優としても、三池崇史監督「ビジターQ」などに出演。ベルリン国際映画祭に出品された奥秀太郎監督「カインの末裔」では主演の棟方を演じ、絶賛を浴びる。再び奥監督と組んだ主演作「USB」では、桃井かおり、大杉漣、大森南朋ら日本映画を代表する俳優たちと競演し、作品は第24回高崎映画祭、第10回ドイツ・ニッポンコネクションに上映。声優として主演を努めた「電信柱エレミの恋」は下北沢のトリウッドで4/24(土)から上映される。多方面に才能を発揮している渡辺一志監督は、「映画や音楽は国境を越えるもの、ボーダーレスだと思っている」と語ってくれた。



映画監督になった経緯をお聞かせください。

―高校生の時、映画好きの友人に誘われて、(クラブ活動の)映画研究部に入部しました。それまで映画をあまり観たことはなく、映画を観るより先に映画制作を始めた事になります。部員も少なかったので入部当初から主力メンバーとして映画作りに参加する事ができました。大学生に進学してからは、アルバイトをしたり学生生活を送っていたのですが、やはり映画が撮りたくなり「19」の8ミリフィルム版を製作し、ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリを受賞しました。その脚本をさらにブラッシュアップしたものを当時邦画の製作をやっていたギャガ・コミュニケーションズのプロデューサーが気に入ってくれて35mm版「19」の制作費を出してくました。

初監督作品「19」では出演もされましたね。

―最初に予定していた俳優に断られ、その代役としてプロデューサーと話しあって出演を決めました。演技の経験はなく、自信もなかったのですが「あの役は自分自身を投影しているからできるはず」と押され、素人ですが演技をしました。

「19」の次に出演されたのが、三池崇史監督の「ビジターQ」となります。

―トロント映画祭で互いの作品が上映された縁でした。三池監督は上映された「19」を観て気に入っていただいたようで、映画祭の後少し経って「ビジターQ」への出演を依頼されました。「ビジターQ」は海外でも人気がある作品で、ドイツや北米、アジアなどに出かけると、必ず誰かに声を掛けられ、人気の高さを肌で感じています。

三池作品など、出演作も大きな注目を浴びました。

―三池監督に依頼されたのは名誉なことだったし、貴重な体験になりました。ですが自分を俳優と思ったことはないし、積極的に活動している訳ではありません。それでも監督たちから声がかかり、作品には恵まれてきたことは幸運に思っています。奥秀太郎監督の「カインの末裔」はベルリン映画祭に招待されたし、最近声優として参加した「電信柱エレミの恋」は、「第64回毎日映画コンクールアニメーション部門 大藤信郎賞」を受賞しました。

「USB」がドイツニッポンコネクションに出品されます。「カインの末裔」につづき、これで2作続けて主演作品がドイツで上映されます、海外でも評価されることは、どのような気持ちですか。

―基本的に映画や音楽は国境を越えるもの、ボーダーレスだと思っているので、映画を作るうえで特に海外での評価を意識したことはありません。映画と一緒にいろいろな国の映画祭に行きました。地球の反対側のアルゼンチンから、まだ内戦をしているサラエボ、パリ、ドイツ、香港、台湾、スウェーデン、カナダ、シンガポール...などなど。それ以上にたくさんの国で自分の映画が上映していることは、とてもうれしいです。ドイツは最初の映画「19」がドイツで公開されたときにキャンペーンで初めて行きました。電車を乗り継いで、ドレスデンからハンブルグまで、いろいろな映画館を回りました。「カインの末裔」ではベルリン映画祭にも参加しました。ニッポンコネクションも2006年に「ネイティブアメリカン風の男を追え!」で上映してもらっています。ので、今回の「USB」の上映を含め、特にドイツは思い入れの深い国です。

最新主演作「USB」では個性的な俳優陣と共演されましたね。

―桃井かおりさんとの共演は楽しかったし、演技がしやすかったです。彼女のルーツには70年代のアンダーグランド・カルチャーがある。「USB」では原点(インディペンデント)に回帰したものだったんじゃないですかね。大杉蓮さん、野田秀樹さん、大森南朋さんも、とても個性の強い俳優陣なので、毎日がとても刺激的で楽しかったです。峯田和伸さんはミュージシャンですがとても真摯に演技に取組まれていて、かつスクリーンでの存在感も抜群でした。

俳優であることと、監督であることの折り合いはどうつけていますか。

―俳優として出演するときには、すべて監督に任せるようにしています。監督は映画の全てをコントロールしますが、俳優は演技というパートを担当するので、折り合いをつける必要はなく、どちらも楽しんでやっています。

(インタビュー・写真=植山英美)
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渡辺一志 1976年生まれ。愛知県出身。2000年「19」(ギャガ・コミュニケーションズ製作・配給)で脚本・監督・出演。トロント国際映画祭をはじめ、各国の映画祭で高い評価を得た。サラエボ国際映画祭では新人監督特別賞を受賞。ヨーロッパアジア諸国で公開された。その他の監督(脚本共)作品「スペースポリス~ネイティブアメリカン風の男を追え!~」(04)「キャプテントキオ」(07)俳優では、三池崇史監督作品「ビジターQ」(01)ベルリン国際映画祭に出品された奥秀太郎監督作品「カインの末裔」(07主演)を初め、「日本の裸族」(03)「カミナリ走ル夏」(03)「探偵事務所5」(06)「ハブと拳骨」(06)「USB」(09 主演)「電信柱エレミの恋」(09 主演)など。

  
                    ©M6 TRANCE PICTURE WORKS

映画『USB』(2009年/日本)

監督:奥秀太郎
出演:渡辺一志、桃井かおり、峯田和伸、大森南朋、小野まりえ、大杉漣、野田秀樹

茨城県筑波。数年前に原子力発電所の臨界事故があり、じわりじわりと放射能汚染が進む町。医学部を受験しながらも、すでに五年目の浪人生活に入っている祐一郎(渡辺一志)は、26歳のいまも実家暮らしの身だ。しかし祐一郎は、うだつのあがらないうちにギャンブルによる借金がかさみ、ヤクザの大橋組に返済を迫られるあまり、ドラッグの売買に手を染めてしまう。祐一郎のいとこである医師・信一(大森南朋)が勤める病院の放射線科で、多額の報酬が支払われる極秘のアルバイトが存在することを教えられ、借金返済を目的に、放射能を大量に浴びる危険な臨床試験に挑むことになるが……

高崎映画祭は4月6日上映(2010年3/27(土)~4/11(日)まで)
ドイツ・ニッポンコネクションは 4月16日上映(2010年4月14日から18日まで、フランクフルト・アム・マイン市で開催)

『USB』公式サイト
http://www.usb-movie.com/
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