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『COOL』は、世界で活躍するアーティストやニューヨークで注目のアートシーンなどを紹介していくアートマガジンです。創造するということ、かっこいいものを見ること、そこから感じる何かを世界中で共感できたらおもしろい!文化が違うとこんな違ったかっこよさもあるんだ!そんな発見・感動をしてもらえるボーダレスなアートマガジンを目指しています。現在、全米各地やカナダ、フランス、日本、中国などで発売中。誌面ではなかなか伝えられないタイムリーな情報や、バックナンバーに掲載されたインタビューなどをこのブログで公開していきます。
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© Emi Ueyama

テレビドラマ『HEROES』(ヒーローズ)などで活躍中の俳優・監督の北村昭博。主演の話題作『ムカデ人間』(Human Centipede米題)が全米公開に先駆けて、ニューヨーク市のIFCシアターにて先行上映が行われた。

ドイツ旅行中道に迷った2人の米国人観光客を親切に迎え入れてくれた外科医の真の目的は、人間同士を結合させて人間ムカデを生み出すことだったー

一種猟奇的なホラー映画のこの作品。北村氏も舞台挨拶にニューヨーク市入りし、多忙な時間の合間にCOOLMagazineの独占取材に応えてくれた。

-『HEROES』(ヒーローズ)への出演が注目されるきっかけになったのでしょうか?

そうですね。自分では『ムカデ人間』への出演の方が大きかったのですが、日本のマスコミの注目度で言えば、『HEROES』(ヒーローズ)出演がやはり注目されました。ヤフージャパンのトップニュースにもなりましたし、2チャンネルのスレッドがたったりもしました(笑)。6年間インディペンデント映画制作をやってきましたが、俳優を始めてからの方が、金銭的にも内容的にも充実しています。

-『ムカデ人間』は、ゆうばりファンタスティック映画祭をはじめ、数々の映画祭で出品されるなど、注目されていますが

クエンティン・タランティーノ監督が観に来てくれたり、トム・クルーズがDVDを取り寄せて下さったり、ハリウッドでも旋風が起きかけています。

-役つくりのアイデアはどこから?

僕は高知出身で、『ムカデ人間』も高知弁で勝負しました。役つくりは、亀田兄弟のお父さんと、『ジョジョの奇妙な冒険』の主人公の話し方を取り入れたり、変な世界観の映画ですし、名優と誉れの高いドイツ人俳優のディエター・レイザーさんに食われないよう、とにかく味を出さないと埋もれちゃうなと。それでいろいろ試して演技しました。例えば、ディエターにはセリフを被せてはいけない、と前もって言われていたんですが、ワザと被せてみたり。結果的にそれは成功しました。
共演の女優達の根性には感服しますね。普通女優であの役はやらないでしょう。そういった意味で、賞賛されるべきだし尊敬するし、これからもっと活躍して欲しい。

-ハリウッドはオーディションで役を勝ち取らなくてはならないと聞きます

オーディションには同じアジア人俳優でも英語が母国語で、UCLAの演劇科なんかを卒業したエリート達とか、大きな映画に出ているやつらと素手で勝負しなくてはいけないので、たいへんです。渡辺謙さんとか、真田広之さんなど、日本で何10年もやっている名前のある方たちと横並びで評価されてしまう。ですが逆に5年後、10年後、見てろよ、と挑戦して行きたい気持ちも芽生えるものです。
ハリウッドにはぽっと出の俳優なんて誰も居ない。履歴を調べてみると、ちゃんとみな下積みをしている。僕だって自分の作品にも出ているし、5年間『ビバリーヒルズ・プレイハウス』という学校で演技を学んでいます。(ヒーローズ主役の)マシ・オカさんもCGのエンジニアで、経験も無いのに抜擢されたと誤解されていますが、テレビなど、結構いろいろと出演しています。演技に対する勉強も熱心で、セミナーに出たりもしている。彼は俳優としてすごくプロフェッショナルなのです。『HEROES』(ヒーローズ)はマシ・オカさんの友人役で出演したのですが、負けたくなかったし、食ってやろうと気合をいれたのですが、彼はリハーサルもやらないんです。それで僕はかえって緊張してしまって。脚本もぱらぱらと見るくらいで、圧倒されてしまいました。成功している人はやはりすごいです。


-日本での映画出演の可能性は?

米国に移住したのは、やはり世界で勝負する映画がやりたくて、ですが、誤解されている部分も多いですが、僕は『No.1だ、ハリウッドでしかやりたくないんだ』なんて思っていないんです。全く逆で、日本が大好きだし、日本の映画が好きだし、日本の才能もすごいと思っていますし、日本の映画に出たいといつも思っているんです。

-日本の映画出演は、ハリウッドなみのギャラは、なかなか難しい

そこなんです。僕が出ているから、確実に投資が回収できる、そんな存在にならなければと。米国で上映されるくらいじゃないと、いけないと思っています。監督にも僕にもみんなにも返ってくるくらいに。
『ムカデ人間』のトム・シックス監督も僕と同じような気持ちで、オランダでそこそこ人気の映像作家でしたが、マーケットとしてあまりにも狭い。世界配給で勝負するには全編英語で行きたいと思ったようで、そこで今回の映画は、英語を主体とした、日本語、ドイツ語アリの、マルチリンガルの作品に仕上がっています。監督は『2作目は、ハリウッド映画として勝負する(今作品はオランダ映画)』と意気込んでいるのですが、一緒にやろうと言っていただいていている、もう一生付いていきます、といつも言っているんです。

-監督と俳優の相思相愛関係は作品において大事ですね

いつも僕の一番いい表情をきちんと撮り押さえてくれている。それは監督の力量だし、相性も合うってことだし、出会えたことは本当に感謝しています。

-次回作について

撮影はもう始まっていまして、『Nipples &
PalmTrees』という作品で、主人公の友人役です。プレイボーイで、セックス中毒の役なんです。今回も日本人へのステレオタイプをぶち壊します。

-これからの目標

本当にやりたい事は世界に通用する日本映画を作りたいんですよ。それは役者ででも、監督ででもかまいません。これからもっと名前が売れてきたら、僕の名前でお客が呼べる。そんな存在になりたいし、なって日本で自主でやってる監督達を引っ張り上げることが出来れば、と思っているんですよ。日本で世界に通用する才能は日々生まれてきていると思うんです。それはこの前ゆうばり(ファンタスティック映画祭)に参加した時、そう思いました。米国に来てからは、(日本の映画とは)あまり接点がなかったのですが、素晴らしい監督、素晴らしい作品が一杯あった。日本の映画界は自主の層が厚い。30代・20代の監督達が多く居るし、日本映画が世界を席巻する日がもう一度来ます。

-その中で特に刺激された監督は?

今回『SRサイタマノラッパー』の入江悠監督とゆうばりで会って、すごく刺激されました。同い年ですし、世界に発進する事を意識した日本映画の作り手ではないでしょうか。次世代のホープで、間違いなく次に日本の映画界を背負う存在だと思います。実は『サイタマノラッパー3』に出演させてもらいたくて、『ラップ』の練習をしているんです(笑)

 
Photo © 2009 sixentertainment

http://www.imdb.com/title/tt1467304/

(文・写真:植山英美)
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