『COOL』は、世界で活躍するアーティストやニューヨークで注目のアートシーンなどを紹介していくアートマガジンです。創造するということ、かっこいいものを見ること、そこから感じる何かを世界中で共感できたらおもしろい!文化が違うとこんな違ったかっこよさもあるんだ!そんな発見・感動をしてもらえるボーダレスなアートマガジンを目指しています。現在、全米各地やカナダ、フランス、日本、中国などで発売中。誌面ではなかなか伝えられないタイムリーな情報や、バックナンバーに掲載されたインタビューなどをこのブログで公開していきます。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
2007年1月17から27日にかけて、パリ国立シャイヨー劇場(THEATRE NATIONAL DE CHAILLOT)内グラン・フォワイエ(Grand Foyer)にて、4人の日本人アーティストによる日本現代アート展覧会『No Tatami Spot』が開催された。
“フォワイエ”とは「飲食や喫煙のための、劇場内の一空間」(Le Petit Robert辞典より)という意味だが、国立シャイヨー劇場のフォワイエは、広さ400平方メートル、天井高5メートル60センチ、収容可能人数、1500~2000人という大規模なもの。『No Tatami Spot』は、美術館でもギャラリーでもない、新しい展示の場として企画されたこのフォワイエという枠組みの中で、「アート作品の展示は、必ずしもその為に用意されてはいない空間で、アートを全く知らない方がアートに遭遇するという体験の場としてあってもいいのではないか」というコンセプトの元に開催されたEXPOである。
この展覧会には、現代アートと演劇という2つの領域を並べてどのような化学反応を起こすかを試すという意図があった。出展したアーティストは、遠藤拓己さん(作曲家、メディア・アーティスト)、タムラサトルさん(造形作家、ヴィデオ作家)、生形三郎さん(作曲家)、そして大社優子さん(フォトグラファー)。
今回はその中の一人である大社さんにスポットをあててみたー
彼女の作品、『ムービングブック(moving book)』は、フランス到着後~展示終了までの日記を映像化したもので“写真”と“言葉”と“音”で構成されている。写真と言葉を大社さんが担当し、映像化するためのプログラミングを共同制作者である笹田晋司(Shinji Sasada)さんが担当している。
真っ暗な中、スクリーンに映し出される映像、そして言葉と音声。まず指定された場所に立ち、スクリーンのほうに伸ばした手をゆっくり左から右へと移動させる。すると、スクリーンに映し出されていた映像がまるでページを繰るように1枚ずつ捲れていき、また次の1ページとして新たな映像と言葉と音声が現れる。もちろんページを戻すことも可能だ。戻す時は捲る時とは反対に右から左へと逆の動作を行う。映像を見ながら、文字を見ながら、雑踏を聞きながら、何も手に触れることなく空中でページを捲るという非日常的な動作に、体験者は不思議な感覚へと引き込まれてゆく。
“旅 (Travel) ”をテーマにしたこの映像写真日記は、“写真”と“言葉”そして“音”を通じて、鑑賞者に実際に旅をしていなくても旅しているような感覚を大いに楽しませてくれる。彼女のホームページ上でも見ることができるので興味のある方はhttp://duco.jp/album.html(マウスでページをめくる)にアクセスを。
国立シャイヨー劇場(THEATRE NATIONAL DE CHAILLOT)
1, place du Trocadéro 75116 Paris
BP 1007-16 75761 Paris Cedex 16
http://www.theatre-chaillot.fr/
大社優子
1974年生まれ
武蔵野美術大学 造形学部 日本画学科 卒業
http://duco.jp/
※ 2月26日〜3月4日には東京のギャラリーPUNCTUM(http://www.punctum.jp/)にて作品展示予定。
“フォワイエ”とは「飲食や喫煙のための、劇場内の一空間」(Le Petit Robert辞典より)という意味だが、国立シャイヨー劇場のフォワイエは、広さ400平方メートル、天井高5メートル60センチ、収容可能人数、1500~2000人という大規模なもの。『No Tatami Spot』は、美術館でもギャラリーでもない、新しい展示の場として企画されたこのフォワイエという枠組みの中で、「アート作品の展示は、必ずしもその為に用意されてはいない空間で、アートを全く知らない方がアートに遭遇するという体験の場としてあってもいいのではないか」というコンセプトの元に開催されたEXPOである。
この展覧会には、現代アートと演劇という2つの領域を並べてどのような化学反応を起こすかを試すという意図があった。出展したアーティストは、遠藤拓己さん(作曲家、メディア・アーティスト)、タムラサトルさん(造形作家、ヴィデオ作家)、生形三郎さん(作曲家)、そして大社優子さん(フォトグラファー)。
今回はその中の一人である大社さんにスポットをあててみたー
彼女の作品、『ムービングブック(moving book)』は、フランス到着後~展示終了までの日記を映像化したもので“写真”と“言葉”と“音”で構成されている。写真と言葉を大社さんが担当し、映像化するためのプログラミングを共同制作者である笹田晋司(Shinji Sasada)さんが担当している。
真っ暗な中、スクリーンに映し出される映像、そして言葉と音声。まず指定された場所に立ち、スクリーンのほうに伸ばした手をゆっくり左から右へと移動させる。すると、スクリーンに映し出されていた映像がまるでページを繰るように1枚ずつ捲れていき、また次の1ページとして新たな映像と言葉と音声が現れる。もちろんページを戻すことも可能だ。戻す時は捲る時とは反対に右から左へと逆の動作を行う。映像を見ながら、文字を見ながら、雑踏を聞きながら、何も手に触れることなく空中でページを捲るという非日常的な動作に、体験者は不思議な感覚へと引き込まれてゆく。
“旅 (Travel) ”をテーマにしたこの映像写真日記は、“写真”と“言葉”そして“音”を通じて、鑑賞者に実際に旅をしていなくても旅しているような感覚を大いに楽しませてくれる。彼女のホームページ上でも見ることができるので興味のある方はhttp://duco.jp/album.html(マウスでページをめくる)にアクセスを。
国立シャイヨー劇場(THEATRE NATIONAL DE CHAILLOT)
1, place du Trocadéro 75116 Paris
BP 1007-16 75761 Paris Cedex 16
http://www.theatre-chaillot.fr/
大社優子
1974年生まれ
武蔵野美術大学 造形学部 日本画学科 卒業
http://duco.jp/
※ 2月26日〜3月4日には東京のギャラリーPUNCTUM(http://www.punctum.jp/)にて作品展示予定。
Text by Sakiko HIROSE
Photo & Special thanks: Association "TANDIS QU'AU LOIN LA-BAS..."
Photo & Special thanks: Association "TANDIS QU'AU LOIN LA-BAS..."
PR
※Post new comment