『COOL』は、世界で活躍するアーティストやニューヨークで注目のアートシーンなどを紹介していくアートマガジンです。創造するということ、かっこいいものを見ること、そこから感じる何かを世界中で共感できたらおもしろい!文化が違うとこんな違ったかっこよさもあるんだ!そんな発見・感動をしてもらえるボーダレスなアートマガジンを目指しています。現在、全米各地やカナダ、フランス、日本、中国などで発売中。誌面ではなかなか伝えられないタイムリーな情報や、バックナンバーに掲載されたインタビューなどをこのブログで公開していきます。
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柴田是真—鬼才の蒔絵師
「The Genius of Japnese Lacquer:Masterworks by Shibata Zeshin」
ニューヨークのジャパン・ソサエティー・ギャラリーで、創立100周年記念事業の一環として、蒔絵師・柴田是真の海外で初めての大規模な展覧会「柴田是真—鬼才の蒔絵師」展が開催中。会期は6月15日(日)まで。
円山四条派直系の絵師、そして蒔絵師であった柴田是真は、幕末から明治前半に活躍、19世紀後半に日本の優れた芸術・工芸が海外で認識されるようになった背景の立役者であり、19世紀日本美術を代表する作家であった。その作品の多くは海外に流出、又は焼失してしまったために、一般に作品を目にする機会は稀。
是真は、時代の政策・背景によって起因した作品制作への数々の障害を、新しい素材を代用・発見することによって乗り越え、当時の常識をはるかに超える画期的な技法を実現した。蒔絵といういわば工芸の枠に入れられ、職人階級に属されていた是真の、これらの創作活動が宮内庁に高く評価され、日本代表する芸術作家として海外の万国博覧会に出品されるようになった。
今回の展覧会は2007年9月にジャパン・ソサエティーのギャラリーディレクターに就任したジョー・アール氏が監修したものである。アール氏は20年にわたる柴田是真の研究家であり、スコットランド国立博物館の展覧会も企画した、アジア美術のエキスパートだ。
是真の名作群の中から、アール氏が更に選りすぐった作品を一堂に会した稀有な展覧会となる。特に、是真の代表的な傑作といえる5段重箱、計4点がそれぞれ異なる所蔵先より借用され一般公開される。
18世紀当時の日本のコンテンポラリー・アーティストの名作に、ニューヨークで折りしも、21世紀のアジアのコンテンポラリーの祭りであるAsain Contemporary Art Weekの最中に会えるというのも、この作家のコンセプトである“粋(いき)”につながっているのかもしれない。
ジャパン・ソサエティー・ギャラリー
333 East 47th Street
New York, NY 10017
開館時間: 火曜日〜木曜日:午前11時〜午後6時
金曜日:午前11時〜午後9時
土曜日・日曜日:午前11時〜午後5時(月・祝日は休館)
入場料: 一般12ドル、シニア・学生10ドル、
会員・16歳以下無料毎週金曜日午後6時から9時は無料
展覧会の開設ツアー: 日本語金曜日午後6時より(要予約)
英語 火〜日曜日 午後12時30分より
土・日曜日午後2時より(所要時間は約1時間)
展覧会入場チケットをお持ちの方は無料
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