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『COOL』は、世界で活躍するアーティストやニューヨークで注目のアートシーンなどを紹介していくアートマガジンです。創造するということ、かっこいいものを見ること、そこから感じる何かを世界中で共感できたらおもしろい!文化が違うとこんな違ったかっこよさもあるんだ!そんな発見・感動をしてもらえるボーダレスなアートマガジンを目指しています。現在、全米各地やカナダ、フランス、日本、中国などで発売中。誌面ではなかなか伝えられないタイムリーな情報や、バックナンバーに掲載されたインタビューなどをこのブログで公開していきます。
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Dr. Kazuo Kawasaki @ Sony Club June 8th 2009





日本を代表するデザイナー、川崎和男氏による講演会がニューヨークのソニークラブで行なわれた。

「いのち・きもち・かたち(Life, Feeling, Form) 」をコンセプトとし、トポロジー(位相幾何学(topology)を軸とした川崎氏のデザイン哲学から生みだされた多くの作品の中から、人工心臓、眼鏡、使い捨て注射器など、斬新で画期的なデザインに焦点をあてた興味深い講演会となった。

川崎氏は1978年、28歳の時に交通事故で下半身不随になった。加えて心臓病も抱え,過去に3度、生死を彷徨う体験をしている。事故後、企業に属する優秀なインダストリデザイナーの1人であった氏は独立をし、医療とデザインとの関わりを探求しはじめた。1999年には医学博士号を習得し、これまで様々な側面からアプローチした卓越したデザインを多数発表している。また、多くの医者や医学関係者が“不可能”としている全置換型人工心臓の開発を目指しており、「ヤギの実験で1000日以上の生存を記録した暁には自らの身体で実験したい」とも語った。

2008年の大統領選挙で、共和党の副大統領候補のサラ・ペイリンが川崎氏デザインの眼鏡を愛用していることが話題になり取材が殺到した。「軽さ」と「かけ心地の良さ」がメガネ開発の出発点という川崎氏の眼鏡。眼鏡会社とのミーティング中に目に留ったペーパークリップからインスピレーションを受け、「MP-704」のリムレス(フレームの無いレンズ)へのジョイントワークを考案。ねじ留めの部分に起こる歪みをなくし、どのレンズでも留められる斬新で画期的なフレームを発明した。また通常であれば50前後の部品が使われるところを、川崎モデルはたった23個の部品から成り立っている。新製品「MP-705」は世界最軽量を誇る。ペイリン氏以外にも、元国務長官のコリン・パウエル氏や、俳優・コメディアンのウーピー・ゴールドバーグさんら多くの著名人が、長年に渡って川崎氏の眼鏡を愛用しているというのも頷ける。

「アイデアの源は?」の問いに、「僕は知能指数が高いんですよ」と笑い飛ばしつつも、「人の10倍は本を読み、人の10倍は考え、人の10倍のエネルギーを努力と探究に注いでいるからね」と言い切る。講演後も、会場を埋め尽くした聴講者達に囲まれながら穏やかに一人ひとりに丁寧に対応する姿が印象的であった。クリントン元大統領とのプロジェクトで、秋に再びニューヨークを訪れるという川崎氏。“トップ・シークレット”のプロジェクトで今度はどのような“驚き”を与えてくれるのか期待が高まる。


主催:国際交流基金ニューヨーク
協力:IDNF(国際デザインネットワーク)

川崎和男公式ウェブサイト
http://www.kazuokawasaki.jp/



Text & Photo by Sai Morikawa
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