忍者ブログ
『COOL』は、世界で活躍するアーティストやニューヨークで注目のアートシーンなどを紹介していくアートマガジンです。創造するということ、かっこいいものを見ること、そこから感じる何かを世界中で共感できたらおもしろい!文化が違うとこんな違ったかっこよさもあるんだ!そんな発見・感動をしてもらえるボーダレスなアートマガジンを目指しています。現在、全米各地やカナダ、フランス、日本、中国などで発売中。誌面ではなかなか伝えられないタイムリーな情報や、バックナンバーに掲載されたインタビューなどをこのブログで公開していきます。
[1]  [2
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


長く続く通路の両側に吊るされた美しく幻想的な写真の数々。通路脇には小石が敷き詰められ、薄暗い会場内には温かな光の筋が差し込んでいる。入り口をくぐった瞬間に別世界に来たかのような雰囲気に呑み込まれてしまうこの一風変わった展覧会は、カナダ生まれの写真家グレゴリー・コルバート(Gregory Colbert)氏による写真展「ashes and snow」だ。スポットライトに照らされた100点以上もの写真と、巨大スクリーンに映し出されるフィルム映像が、野生動物と人間の触れ合いと美しい調和を見事に捉えている。

コルバート氏は14年間以上の年月をかけ、エチオピアやケニアなど30カ国以上の国々を放浪しながら写真と映像を撮り続けた。彼は人間と動物が密接に共存する国々をまわり、静かに、しかし力強く情熱的に流れる時間を数多く記録している。目を疑うほど幻想的で叙情的な彼の作品は、実はどれも一切加工を施されていない。すべて彼がレンズを通して実際に見てきた現実の世界なのだ。またこれらの写真は通常の印画紙ではなく、全て日本の徳島県の紙工場で作られる「阿波手漉和紙」と呼ばれる大きな和紙にプリントされている。


今回この写真展のために用意された「ノマディック(放浪)・ミュージアム」とも呼ばれるこの不思議な建造物は、紙を活用した建築で世界的に名を知られる日本人建築家、坂茂氏によって設計されたものだ。サンタモニカのピアー(埠頭)に突如として現れたこの巨大ミュージアムは、リサイクル可能な貨物コンテイナーや紙パイプなどで構成され、この「ashes and snow」と共に長い年月をかけて、文字通り世界を“放浪”する。ゴールド色の巨大な柱がそびえ立つ入り口から眺めると、その迫力にはただ圧倒されるばかりだ。


コルバート氏は、人間と動物がかつて共有していたハーモニーの再発見を求めていると語る。文明と社会の喧騒から逃れ、彼の作品と、まるで時が止まったかのような静かな空間で自然や動物と対峙することで、忘れかけていた大切な何かを見つめ直す。彼の作品にはそんな彼の想いがはっきりと映し出されている。

「ashes and snow」は2002年にイタリアを出発。その後、2005年にニューヨークのハドソン川に水上ミュージアムとして登場し、カリフォルニア州のサンタモニカを経て、2007年3月にはいよいよ東京・お台場に上陸する。



text, photo by Yuka KAWAGUCHI
PR

日本にも根強いファンを持つニューヨーク在住の写真家Ricky Powellといえば、80年代から多くのCelebrityのスナップ写真やBandのツアー写真などを撮ることで知られている。ウエストビレッジにある彼の自宅で近況を語ってもらった。

COOL:最近何か新しいことはありますか?

RICKY:俺の新しい写真集『Frozade Moments』が出たことかな?ポストカードの本ね。”Ijammy.com”をチェックしてみてね。

C:Rickyさんのプロフィールを教えてください。

R:俺はNY生まれで43歳のフリーライター、写真家だよ。最近は今年発売される予定の本をまとめているよ。『Public Access』っていうタイトルだよ。この本は俺の20年間の仕事を見ることができる。ほとんどがいろんなアーティストとのコラボレーションで、(写真を見せながら)表紙はSpencer Tunicが撮ってくれた俺の写真で、彼は町で裸の人達を撮るんだよ。この2本ビール持ってんのがKeith Haringdeだよ。SSURは知ってる?これは彼のペイントで、こっちのはDalekが描いたやつだよ。他にも俺の白黒写真にペイントしたアーティスト達は “Funky Dope Maneuvers”って呼ばれてる。俺、この本が出るのすごく楽しみにしてるんだよね。今年の9月に”Powerhouse Books”から発売されるよ。

C:カメラは何を使っていますか?

R:Minolta Auto-Focusだよ。たまにPentaxも使ったりするけど。

C:写真家として一番Excitingな瞬間は何ですか?

R:たくさんあるね。たぶん町でいいショットを見つけた時かな。今は主にストリート写真をメインにしてるから、外で何かめったにないものをつかんだ瞬間は俺の1日が決まるよね。人とか特に有名人とかにはこだわらないね、(昔は有名人とかを)よく撮ったけどね。外を歩いてて、(何か)犬でも人でもいい物を見つけた時っていうのは本当に幸せを感じるんだ。

C:町で写真を撮っている時、誰かに止められることはありますか?

R:うん、たまにね。おもしろいことに、俺は許可も得ず何年も撮ってたよ、普通は相手に聞くんだけどね。去年の夏、町で女の人がタバコ吸ってるとこ撮ろうと思ったら、彼女がこっち見たから「撮ってもいいよね?」って言ったら「嫌に決まってんでしょ!」ってすごい怒って叫んできたんだ。「あんた何様のつもり?もし警察がいたら訴えてやるわよ!尋ねもせずに写真なんか撮っていいと思ってンの?」ってね。
数ヵ月後、俺その頃TVプロダクションでクラスをとってたんだけど、その中の一人が「へい、お前人に聞きもせず写真撮ってちゃだめだよ。下手すりゃ不法行為なるぜ」って教えてくれた。「何で?俺20年間ずっと聞かずに撮ってたよ!」って言ったら、彼は「お前は一回も捕まんなくてラッキーだったんだよ。」だって。だから今は基本的にちゃんと聞くよ。初めに聞いて、次に撮る。でもおかしいんだけど、俺の尊敬している写真家の一人のRon Gallellaで、彼はたくさんのスターを何年も撮っているんだけど、彼の哲学は“初めに撮って、次に聞く”なんだ。(笑)だからよくトラブルになったみたいだけど。

C:(先に)人に聞くと?

R:その瞬間を逃がすさ。ああ、そういうことあるよね。

C:Rickyさんの主な被写体は何ですか?

R:(今は)動物だよ。なんでだろう?動物は美しいよね。自然だし。俺が特別な声で犬を誘おうとすると、こっちを向いてこんな顔するのさ(頭を傾けて困った様な表情をしながら)この時に写真を撮るんだ。

C:どんな動物?

R: 犬がほとんどかな。

C:Rickyさんの猫はどうですか?

R:うーん、彼はまあまあだな。昔他の猫がいたんだけど、そいつは楽しかったなー。黒猫でブラックベリーって言うんだ。やつは長い髪の毛のパーシャンでよく庭で走り回ってたよ。そんな写真よく撮ってたよ。この本にも動物を撮った写真が入ってるよ。動物は絶対にレパートリーのひとつになったね。

C:Rickyさんに影響を与えた人はいますか?

R:ああ、Linda McCartneyだよ。Paul McCartneyの奥さんね。彼女の有名な本があるよ。彼女はたくさんの有名人と遊んでても控えめで、そんなスタイルが好きだねー。彼女の写真の横の見出しとかもね。その本が俺にとって結構大きい影響かな。

C:フィルムで撮ると思いますが、デジタルも使いますか?

R:35ミリさ。だって、コンピューターとかないし・・・。Canonのデジタルカメラのキャンペーンやったのにカメラくれなかったし。

C:Rickyさんが本を出版する理由はなんですか?

R:うーん、それは写真家として生きていくためだね。仕事の撮影とか俺のところにはあんまり電話とか掛かってこないし。お金をもらえる時は俺のホームページ”Ricky Powell.com”にE-mailで「こんなの撮りましたか?」とか「そのプリント貰っていいですか?」って聞かれる時だけだね。だから本は俺の仕事をポートフォリオみたいにみんなに(自分の作品を)見てもらうとても大切なものなんだ。

C:2003年に日本に来ましたよね?どうでしたか?

R:(日本は)大好きだよ。東京、大阪、福岡の3ケ所をまわってね。とても良かったよ。飛行機は大変だったけどね。日本に行くといつも楽しませてもらえるよ。日本人は本当にいい人たちだ。人を尊敬しているし、ここ(NY)より断然いい人たちばかりだよね。変なんだけどさ、俺はあんまりここの人たち好きじゃないんだ。

C:それはどうしてですか?

R:態度が悪い。特に最近ここに移って来てやつら。馬鹿だね。馬鹿な態度とるよ。だから俺はよく家にいるんだ。だから動物を撮ってんのさ。

C:何かこれから挑戦してみたいことはありますか?

R:TVショーだね。昔やってたんだけどね。その4つのショーがDVDになって出たんだ。おまけのコーナーもついてね。だからまたTVショーやりたいんだよね。トークショーの司会がいいね。3月末からは今度出演するTVショーの収録が始まるんだ。夏までにはオンエアされるといいな。全部で13回を予定しているんだ。13回で1シーズンだからね。New York CityについてのトークショーでNYで育ったやつらと一緒に話をするのさ。

C:一般人ですか、それとも有名人ですか?

R:ほとんどが有名人だよ。結構名の知られたやつらをこのショーに出したいね、例えばFab(Five Freddy)とか。本当にニューヨーカーって感じのやつらとNYについて話すよ。何が起きて、何が変わったか。変化することは悪いことじゃないんだけど、今のNYは個人的には好きじゃないね。よかったところが消えていったさ。NYだけじゃなくて、世界全体が変わったってこともあるんだけど。近代化ね。俺はあんま好きじゃないね。市長がGiuliani になってからだよ。やつのことが大嫌いだったさ。だって庭や公園を壊して変なビルを建てて、金持ちが引っ越して来て。で、今度はBloombergがきて・・・やつらの人生感覚は俺のとは違うね。俺はNYでずっと育って来てどんどん周りが変わって行くのを見て腹が立つ感じだよ。町で友達に俺の怒りをぶちまける変わりにもっと大きな場でたくさんの人に俺の価値観を伝えたい。だからこのショーで周りのみんなに「俺はこんなの嫌いだ!」って言うのさ。まー全部が否定的なショーになる必要はないんだけど、だからこそもっといろんな人の話も聞いてもらいたいのさ。みんなに俺の気持ちも分かってもらいたいし、みんなに他の人の気持ちも伝えたい。

C:写真の一番面白い点は何だと思いますか?

R:ひとつは、撮る物体と写真家との関わり合いだね。俺の場合は背景。町が俺のスタジオだからそれはすごく大事だよ。壊れた壁や公園、いわゆる素朴なのがいいね。

C:いつもどこで撮影しますか?

R:この辺Down Townだよ。昔はよくいろんなところまわってたけど、今はもう行かないね。慎ましくなったね。でも結構楽しんでるよ。

C: 今後の予定は?

R:うーん、金持ちになりたいね。ここ数年間お金無くてね。仕事も無いし、大変さ。でもまた取り戻したいね。人の生涯ってのは変化するのさ。善くなったり、悪くなったり。2年間のブランクがあったから今から取り戻していきたいね。まあ、成るようにしかならないさ。お金は必要だけど自分の好きなことをやっていける限り俺は幸せだね。俺絶対普通の仕事には就けないし、できないんだ。おかしくなるぜ。
だからできる仕事と言ったらバイクメッセンジャーだけかな。自由になれるんだよ。15年間やったりやらなかったりしたけど、俺の名が知られてる一つに『Rickford Files』の本の中で仕事中にカメラ持ち運んで、写真を撮ったんだ。写真が大分楽にしてくれるし、写真にも味がでるんだよ。

C:これからRickyさんのTVショーも始まりますしね。

R:ああ、このショーと今年秋に出る写真集でなんとかうまくいくといいんだけどね。2004年は俺の最悪な年だった、職業的、財政的、精神的に。ショーはスタジオと外と半々になるよ。俺のパートナーDB Toujaniは幼なじみで、彼も俺と一緒にショーをやるんだよ。といってもやつは技術屋なんだけどね…あいつと友達でいられることを光栄に思うよ。『Laughing with the Rickster(仮)』っていうタイトルのショーだよ。



--------------------
RICKY POWELL(リッキー・パウェル)
1980年後半のオールドスクール全盛期から、ニューヨークのストリートやセレブ達をスナップ写真で撮り続ける。90年代後半よりRUN D.M.CやBEASTIE BOYS、LL COOL Jらのツアーやプライベートシーンを『Oh Snap』と『The Rickford File』の2冊の写真集に収めて出版して一躍脚光を浴びた。最近、新たにポストカードブック『frozade moments』を出版したことで再び注目を集めている。



text by Sayako MAEDA, photo by Naho KUBOTA
言語
English / 日本語
ブログ内検索
カレンダー
‹‹ 03 2024/04 05 ››
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新コメント
[03/15 レンジ]
[12/22 ぺこりん]
最新トラックバック
Copyright © COOL Magazine Inc. All rights reserved.      忍者ブログ [PR]